毎日の生活の中で、自分や周りの人間が、壊れた機械のように感じる事ってないですか?
例えば、ボーリング場のコカ・コーラは高く感じるのに、高級そうなレストランやホテルのコーラには、平気で千円も千五百円も払ってしまうとか・・・
無料とかオマケなんて言われると、要らない物まで欲しくなってしまうとか・・・
『予想どおりに不合理(ダン・アリエリー:著)』は、そんな人間のおかしなクセについてまとめた本です!
最近の行動経済学ブームの火付け役にもなった本なので、『知ってる!』なんて方も多いかも?
ヨシ
人間のポンコツさが分かる実験の数々。
なかなか、笑えます!
1番のポイントをネタバレ気味にレビュー
ではでは!
さっそく、この本の1番のポイントをネタバレ気味に抜き出すと・・・
人間という生き物は、完璧とはほど遠く、めちゃくちゃ不合理である!
しかも、その不合理さには規則性があり、繰り返されるので、しっかり予想出来る。
つまり!
私たちは、予想どおりに不合理ということ。
「薬という暗示をかけると、ビタミン剤で病気が治ってしまうのはなぜ?」
「お金が絡むと、思いやりが消えてしまうのはなぜ?」
この本には、そんな人間の不思議なポンコツさについての答えがギッシリ詰まっています!
読了後のザックリとした感想!
読み終わった後の感想を言わせてもらうと・・・
本当に、考えさせられる内容といった感じでしょうか?
正直言ってしまえば、チョット冗長な部分があります!
翻訳本にありがちな、持ってまわった物の言い方や、ややクドい説明が各所に見られます。
でも、その辺を乗り越えてしっかり読み込むと、めちゃくちゃ勉強になると思います。
例えば、この本の実験結果や行動経済学が、すでにビジネスに転用されていたり悪用されていたりするのを発見するでしょうし。
その手の物には、引っかかりにくくなるでしょう(笑)
さらに深いところまで突っ込むと、そもそも人間には、貨幣経済という物が向いていないのでは?
もっとハッキリ言えば、資本主義経済が、人間の進化を止めてしまっているのではないか?
マーケティングという、資本主義の権化のような仕事をしているせいもありますが。
何だか、心の奥が揺さぶられるような気がしました。
あらすじをサクッと要約
ヨシ
ではでは!
この辺であらすじを、目次にそってサクッと要約しておきます。
相対性の真相
なぜ、あらゆるものは相対的なのか
- 人間は比較するモノサシがないと物が理解できない
- 生まれつき比較するように出来ている
- 【A】【Aの劣化版】【B】の三択だと、【A】を選ぶ
- 【Aの劣化版】はおとり選択肢と呼ばれる
需要と供給の誤謬
なぜ、あらゆるものの値段は定まっていないのか
- 人間にもカルガモのように刷り込みやアンカリングが起こる
- 最初のモノサシが基準として刷り込まれる
- 単なる刷り込みで決めたものを後から合理化しようとする
ゼロコストのコスト
なぜ何も払わないのに払い過ぎになるのか
- 人間は無料をチラつかせると判断が狂う
- 無料だと欲しくないものまで手に入れようとする
- 7ドル払って20ドル分のギフト券をもらうより、無料で10ドル分のギフト券を欲しがる
社会規範のコスト
なぜ楽しみでやっていたことが、報酬をもらった途端楽しくなくなるのか
- 情が基準の社会規範とお金が基準の市場規範がある
- お金が入り込むと、情のスイッチが切れて社会規範が消える
- お金でなくプレゼントなら、情のスイッチは切れない
- プレゼントでも、価格が分かるとスイッチが切れやすい
- お金は人のふれあいの最も良いところを台無しにする
- 人間は社会規範を中心に暮らすべき
無料のクッキーの力
無料はいかに私たちの利己心に歯止めをかけるか
- 人間はお金が絡まなければ、利己追求をせず他人の幸せを気にする
- お金が思いやりのチカラを抑える
- 無料でクッキーを配ると、貰う人は増えるが欲張って何個も取ったりしない
- 1円とか激安になると、一人で何個も買おうとする
- 『労力』は『お金』と『プレゼント』の間
- 『プレゼント』と『労力』で世界を回せば幸せな世の中になるのでは
性的興奮の影響
なぜ情熱は私たちが思っている以上に熱いのか
- 性的に興奮すると、前頭葉が機能しなくなり爬虫類脳へ
- 正気を失い大胆になり、リスキーな行動に出る
- 人間には『理性』と『感情』の二面性がある
先延ばしの問題と自制心
なぜ自分のしたいことを自分にさせることができないのか
- 人間は目先の満足のために、長期目標を先延ばしにする
- 有無を言わせない締切を与えるのが一番効果的
- 自分で締め切りを宣言させるのが次点
- 自由にさせておくのが一番ダメ
- 自立とのバランスを考えると、自分で締切りを決めるのが有効か?
高価な所有意識
なぜ自分の持っているものを過大評価するのか
- 人間は自分の持っている物を過大評価する
- 今後手に入る物より、今失う物に注目してしまう
- 他の人が取引を見る視点が自分と同じと思ってしまう
扉をあけておく
なぜ選択の自由のせいで本来の目的からそれてしまうのか
- 人間は選択肢を失う事を恐れる
- 無用の選択肢でも失いそうになると多大な犠牲を払う
- このため、一番大切な選択肢を失う恐れがある
- もっと家族に時間を割こう
予測の効果
なぜ心は予測した通りのものを手に入れるのか
- 人間には予備知識が先入観になって、思い込んでしまうクセがある
- 情報を提供する事で思い込みを方向づけするのがブランディングやマーケティング
- 例えば料理の味は、街並み・店構え・店内装飾・音楽・食器・盛り付けに影響される
価格の力
なぜ1セントのアスピリンにできないことが50セントのアスピリンならできるのか
- 先入観や思い込みは体調などにも影響する→プラセボ効果
- 暗示や条件反射で効かないはずの薬が効いてしまう
- 安い薬より高い薬が効いてしまう
不信の輪
なぜわたしたちはマーケティング担当者の話を信じないのか
- 一人の不信感は社会全体に広がって行く
- ミスは許されるが繰り返される嘘は許されない
- 特定の団体や企業名での宣伝広告情報は信用されず、経験や結果まで変える
- 信用は社会の公共財
わたしたちの品性について その1
なぜ私たちは不正直なのか、そして、それについて何ができるか
- 不正には犯罪とちょっとしたごまかしの2つがある
- 人間は正直でありたいと思っているが、ちょっとしたごまかしにはセンサーが働かない
- ごまかすチャンスがあると、多くの人がほんの少しずつごまかす
- ごまかしを防ぐためには、署名・宣誓・自覚などが有効
わたしたちの品性について その2
なぜ現金を扱うときの方が正直になるのか
- 人間は職場から鉛筆を持ち帰ることはあるが、現金は持ち帰らない
- ごまかしは現金と離れたところで起きやすい
- 不正の度合いは、商品券やポイントなどの代用貨幣の時に一番ヒドくなる
ビールと無料のランチ
行動経済学とは何か、そして、無料のランチはどこにあるのか
- 人間には独自性を顕示したり、調和を大切にしたい欲求がある
- レストランのオーダーの際、欧米では人とカブらない物、アジア圏では人と同じ物を選びたがる
- 結果、食べたい物を食べれないという不合理な結果になる
- 人間の行動は、普通の経済学が考えるよりはるかに不合理
- ただし、規則性があるので予想できる
- 人間は予想どおりに不合理だ
最後に一言だけ&まとめ
っとこんな感じで!
人間がいかに不合理か、そしてその原因はどこにあるのか?どんな対策を打てば良いのか?この本を読むと分かってしまいます。
そう考えると、行動経済学って、怖い部分がありますよね?
悪用しようと思えば、簡単に人間をコントロール出来てしまいますから。
出来ればコレを悪用したりするのではなく、社会を良くして行く方向で使って行きたいものです!
っという事で!
まずは、一度口コミや評判の内容をチェックしてみては?
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