今回は、織田信長と南蛮貿易とキリスト教のお話!
日本史の授業の解説では…
「織田信長は、キリスト教を保護し南蛮貿易を振興した。」
なんて、サラリと流される事が多いのですが。
コレって、メチャクチャ不思議な話だと思いませんか?
もちろん、信長が南蛮貿易を振興する!っていうのは分かるんです。
でも!
当時のキリスト教の宣教師と言えば、誰がどう見てもポルトガルやスペインの植民地支配の先遣隊!
ある意味、スパイとか諜報員みたいなものですよね?
日本のトップを目指していた織田信長が、なぜ外国のスパイを保護したのでしょうか?
今回は、そんな歴史の謎を追いかけてみたいと思います。
ヨシ
3分ほどで、サクッと読めるかと思います。
どうぞ、最後までお付き合いください。
織田信長がキリスト教を保護してまで南蛮貿易を続けた4つの理由
さてさて、早速ですが!
なぜ織田信長が、キリスト教を保護してまで、南蛮貿易を続けるようなリスキーな選択をしたのか?
どうやらこれには、4つの理由があるようです。
- 南蛮貿易とキリスト教の布教がセットだった
- 火薬の原料になる輸入品「硝石」をおさえたかった
- 南蛮貿易で上がる莫大な利益
- 寺社勢力をけん制したかった
ヨシ
それぞれ見ていきましょう!
南蛮貿易とキリスト教の布教がセットだった
まず1つ目の理由が、そもそも南蛮貿易とキリスト教の布教がセットだったから!
宣教師達の目的は、対日貿易での利益もありましたが、あくまでも日本の植民地化でした。
はじめは、南米や東南アジア諸国のように、武力で日本を占領することを考えていたのですが…
じつは戦国時代の日本は、世界最強レベルの軍事力を誇っていました!
そこで、武力による占領を諦めた宣教師達は、方針転換する訳ですね。
まずは、キリスト教の布教を進め、機を待って教徒に反乱を起こさせる。
そして、混乱の隙に乗じて、本国から軍を送り込む!といった感じですね。
そのために、ポルトガルやスペインと交易したいなら、キリスト教の布教を認めろ!
そんな風に、南蛮貿易とキリスト教の布教がセットになっていた訳なんです。
火薬の原料になる輸入品「硝石」をおさえたかった
さてさて、こんな宣教師達の目論見を、織田信長が気づかない訳ないんですよね。
宣教師達が、南米や東南アジアでやって来た事を見れば明らかですし。
今も昔も、諜報活動は宗教組織や神職者の仕事というのは常識!
信長自身も、忌部氏という神官の家系出身なので、この辺はもちろん承知していたはずです。
それなのに、なぜキリスト教を保護してまで南蛮貿易を続けたのか?
一番の理由は、火薬の原料になる輸入品「硝石」を独占したかったから!
当時の日本では、種子島に持ち込まれた鉄砲は、すぐさま国産化して大量生産してしまったのですが。
硝石だけは、すぐに国産化出来ませんでした。
鉄砲が主力武器になりつつあった当時、この硝石を握った者が天下を握る!という情勢ですね。
そこで信長は、硝石の輸入経路をおさえるために、キリスト教を保護するというリスクをとった訳です!
南蛮貿易で上がる莫大な利益
さらに南蛮貿易では、硝石や鉛などの軍事物資の調達以外にも、大きなメリットがありました。
それは、莫大な利益です!
信長は南蛮貿易から得た強大な経済力を背景にして、天下統一の事業を推し進めた訳ですね。
この時期、信長と同様に南蛮貿易を振興していたのが、豊後(大分県)の大友宗麟(義鎮)!
宗麟も南蛮貿易の利益を背景に、一時九州九カ国のうち六カ国を制圧しました。
南蛮貿易の利益が、いかに莫大か分かりますね?
寺社勢力をけん制したかった
そして、最後4つ目の理由が、寺社勢力をけん制したかったから。
信長の宿敵と言えば、本願寺などの仏教や神社などの勢力ですよね?
信長は寺社勢力に対して、軍事的に攻める以外にも。
楽市楽座などで、本願寺や一定の商人達が得ていた独占販売権や既得権益を崩し、経済戦争も仕掛けていました。
キリスト教を保護したのも、こういった争いの一環で、寺社勢力をけん制するためのもの!
実際に、キリスト教徒やキリシタン大名により、神社仏閣が焼き討ちされる事件なども起こっています。
まとめ
さてさて、「織田信長がキリスト教を保護してまで南蛮貿易を続けた4つの理由」いかがだったでしょうか?
信長としては、宣教師達が危険な存在と気づきつつも、背に腹は変えられない理由があった訳ですね。
天下統一に向かって、周り中を敵に囲まれている中では、使えるものは全部使う!といった感じでしょうか?
こうやって見てくると、何となく信長がどうして大きなリスクを冒してまで、南蛮貿易をしたがったのか分かりますね。
織田信長がキリスト教を保護してまで、南蛮貿易を奨励したのは、4つの大きなメリットがあったから!
リスクは大きいけど、天下統一前で背に腹は変えられなかったのかも?